〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

早い、うまい、安いで生まれた心優しい「伊勢うどん」

2016.05.19

 

うどんといえば、どのうどんを思い浮かべますか?
全国各地長く食べ継がれてきた郷土うどん、ご当地うどんがたくさんありますよね。
有名どころをちょっと思い浮かべてみても、「讃岐うどん」「稲庭うどん」「水沢うどん」「ひもかわうどん」「ほうとう」「きしめん」「吉田うどん」「氷見うどん」「たらいうどん」「博多うどん」「五島うどん」「やせうま」などなどどんどんできてきます。細長いものや平べったいもの、短いものや長いものなどそのスタイルもさまざまです。

 

 

私はコシのある歯ごたえと出汁重視タイプなので、やっぱり讃岐うどんが好きだなぁと思いますが、その全く正反対の位置にあるのが「伊勢うどん」ではないでしょうか。とにかくはてしなく極限までに麺が柔らかい、そのうえ黒く濃く甘辛い醤油タレのようなものがかかり出汁がないといったイメージです。初めて目にしたのは20年ほど前になるでしょうか。お土産としていただいたもので、どのようにして食べたらいいかわかりませんでした。JR鳥羽駅のうどん屋さんではじめて本物の伊勢うどんを食べたのが7年ほど前。なるほどこれが伊勢うどんかと納得しました。

まさにイメージ通り(笑)。

しかし、「柔らかさ」「甘辛い醤油ツユ」には意味があったのです。
伊勢うどんは、お伊勢参りに来た人にいつでもすぐに出せるようにうどんをずっと煮続けています(少なくとも1時間は煮るとか)。熱い汁がないのと簡単な薬味や卵のみなので急ぐお客さんもさっと食べることができます。これ旅の者にはありがたい。店側もさっと出すことができるので混雑を回避できます。また昔のお伊勢参りは遠くから長旅で来る人も多かった。疲れた体や胃に柔らかい麺はきっとやさしかったことでしょう。

 

さて、実際に食べてみると、たまり醤油のような濃い色のツユは色の印象ほど濃くなく意外に淡く優しく深い味わいです。ふわっとした触感の柔らかうどんとの相性も良く、ちょっと癖になりそうな感じです。最近は残念ながらあまり機会がないのですが、いつでも何回でも食べたい気になります。東京でももっと食べられるところが増えればいいのにとさえ思う昨今。飲んだ後にもきっといいはずです。

サミット首脳陣はさて伊勢うどんを体験されるでしょうか。最近はラーメンも世界的に人気なのでうどんも日本の麺料理として興味を持ってもらえるかもしれません。汁がないから、パスタのように食べることもできますしね。長旅と重要会議でお疲れの際は、ぜひ、伊勢うどんを。

 

 

 

 

 

伊勢市観光協会伊勢うどんHP

 

 

 

 

 

 

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