〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

pen日本酒特集、発売に寄せて ~日本酒コンクールの在り方を考える~

2017.02.28

雑誌penの日本酒特集「2017年決定版! ソムリエが選ぶ、おいしい日本酒」、ご覧いただいておりますでしょうか。突然、表紙に登場しているので驚かれた方もいらっしゃると思います。FaceBookなどSNSでも「センター!」「かっこいい」「ソムリエスーツが懐かしい」「買います!」などなどたくさんのうれしいコメントを頂戴しました。ありがとうございます。

 

この日本酒特集、通称「日本酒ミシュラン」と呼んでいます。なぜならば、一つから三つまでの星でおいしい日本酒をランキングしているから。今回の特集で3回目になります。penは同じ内容の特集を2回以上行うことはないのですが、日本酒ミシュランは特別のようです。

この日本酒ミシュラン、「普通に町で買えるお酒を実際に買ってきてテイスティングする」という大前提があります。ほかの日本酒コンクールのようにメーカーさんがコンクール用に造った特別のお酒を出品してもらうのではありません。また「市販酒」(いわゆる出品酒の反対語で、市場に流通する酒のことを指す業界用語)を出品してもらうのでもありません。一般消費者が、普通に買えるお酒を、テイスティングして、本当に美味しいものをセレクトして、紹介するのが大きな目的です。

メーカーさんのためでも、お酒屋さんのためでも、酒類卸さんのためでもない、飲み手のための指標作り、それを目的として、私が強い強い思いで編集部に提案し、始まったものなのです。

毎回、都内の有名地酒店、百貨店、スーパー・コンビニなどからこれぞという銘柄を購入します。今回は150種ほどでした。それをとにかく飲む、吐き出さずに飲む。ほかのコンクールのようにくちゅくちゅして吐くのではなく、飲む、飲む、しっかり飲む。それで評価をします。

体力、いりますよ~。やはりある程度飲める人でないと評価はできません。審査員選出も実は重要です。依然の2回はミシュラン同様覆面審査員で、きき酒の技術がある男女・日本人・外国人の方約10名ほどに覆面審査員をお願いしていました。あなたの隣にも審査員がいるかも、ですね。

以前の2階の審査ともニ泊三日で合宿していました。今回は朝から晩まで丸一日使って、すべてブラインドで行いまして、それはそれはハードでした。部屋も寒かったし・・・。

その結果の上位80数銘柄が掲載されているのです。ガチです。

 

特に今回は、純米吟醸とか大吟醸などの特定名称酒概念はきっぱり捨て、香味の違いで4タイプに分け、さらに精米歩合を40%以下、41%~59%、60%以上と3分類に分け、つまり12区分してブラインドテイスティングをしました。このカテゴリー分けは大変重要で私の強い思いがあります。

日本酒のコンクールは、香りが高く、甘い酒で切れのある味が評価されやすいのです。それはたくさんの出品酒をきき酒するので、インパクトがあって雑味がなく甘味ののった酒が高評価になりがちだからです。そのうえ評価のきき酒では飲みこみません。華やかですっきりした酒がどうしてもいい酒と感じてしまいます。

しかし、香りがおとなしくても、甘くなくても、個性的な味でも、旨味たっぷりでも・・・、飲んでおいしい酒はたくさんあるのです。

また、特定名称でカテゴリー分けされる場合、「純米酒」のカテゴリーに、たくさん磨いた「純米吟醸」や「純米大吟醸」が出品されることもしばしば。精米歩合の高いごつごつした風味の純米酒の横に、きれいな吟醸が並べばそちらが高得点になってしまうのです。旨味たっぷりの純米酒も飲んでおいしいものです。しかし、コンクールでは評価されないことがままあるのです。

そういった問題点を排除し、本当に美味しい日本酒をタイプ別にご紹介しています。今回の星付き酒は、ほんとうにおいしい酒です。本気でテイスティングしています。ぜひ、ご参考になさってくださいね。

 

 

 

 

[日本料飲ビジネス研究会]

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