〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

ワインソムリエが日本酒を学ぶ意味

2017.07.05

 

日本ソムリエ協会が日本酒の資格「SAKE Diploma」の認定試験を今年から始めます。ワインを取り扱うソムリエも、日本酒の知識やサービス技術を身に着ける必要があるということです。

ちなみに、日本酒のソムリエである「日本酒きき酒師」という資格は、27年前から存在します。実は、この資格制度ができる前の準備室を私はお手伝いしていました。

時はバブル経済真っただ中の1989年。日本酒をもっと売りたいと願う日本酒業界と注目が集まり始めた新しい職業であるソムリエ業界が手を組み、ワインを上手に販売するプロであるソムリエの力で、低迷している(1960年代をピークに日本酒の消費は完全な右肩さがり)日本酒の魅力を広めようと組織されたのが「日本酒サービス研究会(現日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)」。当時の若手ソムリエが集まり(現在はみな大御所!)、ソムリエ的な技法で日本酒を提供することを主軸に、日本酒を「香りの高いタイプ」「軽快でなめらかなタイプ」「コクのあるタイプ」「熟成タイプ」の4つに分類しました。全国から集められた日本酒をテイスティングし(日本酒はききしゅということが多いですね)分類するのですが、私は記録係をやったのでした。もちろん、テイスティングも一緒にするのですが、そのハードさといったら・・・・。なにせ、日本酒はワインよりもアルコールが高く、香味の特性が似通っています。4タイプに分類するのも一苦労だったのです。

しかし、大吟醸とか本醸造とか純米酒とか無濾過生原酒などというより、香りや味わいでお客様に説明したほうがうんとわかりやすいので、この手法はとても有用だと思いました。日本酒は日本の酒にもかかわらず、ラベルの意味が分かりにくいうえ、飲食店でも「お燗」「冷酒」などという書き方しかしておらず、実に選びにくかったのです。通常は読めないフランス語やイタリア語で書かれているワインラベルですが、それをわかりやすく説明し、楽しませてくれるソムリエの販売技量は、日本酒世界にも生かせるとその時に気が付いたのですねぇ。日本酒の消費が低迷しているのは、そんなところにも問題点があったので、ソムリエが日本酒を知り、上手に提供してくれれば、きっと日本酒の消費は伸びる。そこにソムリエがワインを学ぶ意味がある・・・というわけだったのです。

4タイプ分類した後は、それぞれ、どんな温度で、どんな酒器で、どんなシーンで、どんな料理と合わせればよりおいしく楽しくなるのかをお客様に提案できるよう仕組みがその時にできました。もちろんソムリエの本領発揮である料理との組み合わせ提案もバッチリです。しかし検証は大変でした。私もお手伝いをしましたが、今でも忘れないのがフォワグラに日本酒を合わせたこと。もともと私は脂の塊であるフォワグラが苦手なのですが、酸味が少なく、うまみ成分が多く、アルコールの高い日本酒と一緒はとってもつらかったのです。フォワグラにはやっぱりワインのほうがいなァと正直思いましたねぇ(それは今でもあまり変わらない)。

約30年前に生み出したこの提供方法と基本ルールは、今もっと進化し、提供者にとっては実に使い勝手のいい、現実的なものとなっています。ワインのプロ中のプロである日本ソムリエ協会の新たな資格SAKE Diplomaも期待値大ですね。

 

 

さて、SAKE Diplomaを受験したい方、日本酒きき酒師を受験したい方のための、「日本酒基礎知識講座」を開催しています。今月は、7月26日(水)19時~21時。

詳しくはこちらをチェックしてくださいね。受験には特に興味がないという方ももちろんご参加OKです。この機会に日本酒の楽しみ、ぜひ、身に着けてください。どなたでもお受けいただけるカジュアルな内容です。受講いただくともれなく「日本酒ナビゲーター」資格がついてきます!! 本当です!!!

 

 

 

 

 

 

 

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