〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

カトラリー、使いやすいものから使っていいじゃない!

2016.02.26

 

食事のマナーというとすぐ思い浮かべるのが、フォークやナイフ、スプーンなど「カトラリー」の使い方。持ち方や順番、どの料理にどれを使うのか、終了時の置き方などなどがよく話題になります。

昔は、フランス料理というと、たくさんのフォークやナイフやスプーンが皿の周辺に並び、慣れない日本人を困惑させました。
いえ、日本人のみならず、欧米でも格式のあるレストランマナーを知らない人はいます。ほら、映画「プリティ・ウーマン」でも、コールガールのビビアンが、実業家エドワードとともに会食するシーンで、フォークがうまく使えずエスカルゴをスポーンと飛ばしてしまうシーンがありましたよね。その後、ホテルの支配人からカトラリーの使い方を教えてもらうシーンもありました。フランス料理店でのカトラリーマナーは、ある意味、ギャグやコントにさえなってしまうほど誰にとってもややこしいのです。

最近は、グレードの高いレストランや宴会でも、料理とともにあらたなカトラリーをその都度出してくれることが多く、間違って使ってしまう心配は減りました。それに、フォークナイフがずらりと並べられたお席で、万が一間違って使ったとしても、グランメゾン(や、その心意気のあるレストラン)では、サービススタッフが速やかに何もなかったかのごとく厳かにエレガントに知らぬ間に補充をしてくれます。わざわざ謝る方がおかしいことにもなったりもします。

ナイフやフォークを間違って使ったとしても、使いにくい、食べにくいことはあるかもしれませんが、同席の方に迷惑をかけるわけではありませんから、まずは気にしないことです。エスカルゴ(格式の高い晩餐会でこれが出ることはほぼない)もたいていは小ぶりのフォークで取りやすく調理したものが出てきますから、ビビアンみたいにスポーンはあり得ません。それより日本料理屋のつぶ貝やばい貝の煮ものほうがずっととりにくいと思いませんか?

また、トロリとろけたエスカルゴバターをバゲットにたっぷりつけて食べる際は手で食べたほうが理にかなっていますし、そちらの方が正しいマナーといえます。旬のホワイトアスパラも太いほうを手で持って食べてOK。骨付きの肉もしかり。ま、もちろん一流レストランはすべてフォークナイフで食べることができるような料理しか出てきませんが・・・。

 

ナイフレスト(ナイフやフォークを置く箸置きみたいなもの)がある場合は、料理が変わっても同じものを作ってくださいの合図です。カジュアルレストランには多いですね。できれば、汚れたまま置かないように、気にしたいものです。

 

スパゲッティ、スプーンをつかってもいいじゃない

スパゲッティなど長いパスタ料理を食べる時にスプーンを使うのは田舎者などと言われた時代がありました(今も言うでしょうか)。スプーンは、フォークをうまく使えない不器用で洗練されていない人や子供が補助のために使うものなどということがまことしやかに言われていました。なので、スパゲッティを前にして、食べにくいのも我慢しながら、フォーク一丁で何とかやりくりしている人をよく見かけました。
これ、スプーンがあってもいいのではないでしょうか。くるくるしてもからめとれなかったソースや具もスプーンがあれば食べきれますし、洋服を汚すこともないはずです。
そもそも最上級の晩餐会にスパゲッティは提供されません(残念ながら)。パスタはあくまでカジュアルに楽しむもの。そして出来立てを味わうのがなにより第一のマナーです。
それよりも、現地で注意すべきは、日本のそばうどん式にずずっと音を立てて吸い込むこと。これもよくギャグになりますが、カトラリーの間違いレベルでは済まされないくらいマナー違反に見られます。啜りこむことが不得意な欧米人(そういう食べ物がないから)はこれを見ると慣れないのでぎょっとします。彼らは口に入りきらないパスタは啜りこむことなくそのまま噛みきりぼとっと皿に落とします。日本人からするとそのほうがぎょっとしますが、このマナーの違いは知っておいてもよさそうです。
でもでもでも・・・、最近は世界的なラーメンブームで、啜りこみの上手な外国人もよく見かけますね。なんだかうれしい気もします。

カトラリーとは関係ない話になりました。
並んだフォークナイフやスプーンは気兼ねなく使っていいのです。

 

とはいえ、やっぱり基本は知っておきたいというときには、こちらを見てくださいね。

今新たに考えたい、フォークとナイフとスプーンの正しい持ち方

 

 

 

 

 

 

 

 

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