〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

リストが読めないのにワインの注文! さて、どうすればいい?

2016.02.12

 

料理の注文が終わったら、今度はワインを選びです。
楽しい瞬間でもありますが、悩ましくもあります。どうやって決めたらいいのか。名前を見ても味がわからないし。そもそも横文字が読めない。だけど料理との組み合わせも考えなければ。どのくらい飲むかも問題だし。それから金額だって考えなくっちゃ…あああー、パニック。
レストランでのワインマナーの課題はとにかくこれです。面倒なので、一切合財ソムリエにお任せというのももちろんいいのですが、一歩進んで「より自分好みの、お客様好みの味になるようなセレクト」をしてみようではありませんか。

ワインを選ぶポイントはなんでしょう。料理との相性? やはりまずはそれが思い浮かびますが、知識や経験がないとばっちりの組み合わせをするするとオーダーするのは難しいものです。それに、実は、料理との相性よりももっと念頭に置くべきポイントがあるのです。

 

●どのくらい飲むか

お酒が強いのか弱いのか、たくさん飲む人なのかあまり飲めない人なのか。まずこれを考えましょう。私ならば、たとえば二人だとすれが、アペリティフで1杯飲み、前菜に合わせグラス2杯。主菜に合わせフルボトルを二人で一本。チーズに合わせて別にグラス1杯。デザートに合わせ食後酒を数杯といった感じです。飲み過ぎ? すみません。

お酒がそんなに強くない二人ならば、アペリティフなしで、前菜で1杯、主菜で1杯でしょうか。それならばとくにワインリストを見る必要はなく、料理に合わせた(もしくは特に料理にこだわらず好みのワインにしても実はぜんぜんオッケー!)グラスワインをお願いしましょう。
最初から白、赤、ロゼ、スパークリングのどれか一本で通すこともありますし、ある程度の人数で、前菜に1本、主菜に2本などというレベルもあるでしょう。よく飲む二人ならば白1本、赤1本だってアリです。もし飲みきれなければ、お持ち帰りすればいいのですから。
まずはその日どのくらい飲むのかを把握してください。

 

 

●予算はどのくらいか

これも、いやこれが重要。「いくらでもいいからおいしいワインもってきて」などと言って、1本150万円のロマネ・コンティを持ってこられてはやはり困ります(いまどきそんなソムリエいないけどね)。この場合はやはりリストを見て最もお手頃価格を確認して、それを基準に自分の予算と照らし合わせ選びましょう。お手頃ワインだけど2本も3本も飲むのであれば、最終的には結構な金額なっちゃうのでご用心。お客様に予算を知られたくない時にはソムリエにリストの金額部分を指さし、このくらいで料理に合うワインをと相談してください。できるソムリエならば、希望の金額を真ん中にして「松竹梅」の3本を持ってきてくれるはずです。予算次第で梅や松を。ちなみにコース料理の料金と同じくらいの金額かそれの8掛けくらいのワインがバランスがいいと言われています。15,000円のコースに3,000円のワインでは物足りないということ。3,000円のコースに20,000円のワインは不相応ということです。

 

●好みの味を楽しもう

ワインセレクトには料理との相性が大事です。でも、経験がなければなにをもって相性がいいのかの判断ができませんしピッタリのワインも選べません。だからこそソムリエと相談となるわけですが、友田流に言えば、それも関係なく、好みの味のワインを飲めばいいのではないかと思います。魚でも赤ワインが好きであればそれを注文していいし、肉でもさっぱりと白ワインもアリです。濃い味の料理には濃い味のワインというルールもありますが、濃い料理に濃いワインはときに疲れます。西洋風のバランス重視のセレクトよりも、「口の中を洗ってくれるワイン」というまるでビールや日本酒のような考え方でワインを楽しんでもいいのです。「相性とかわかってないんですけど、○○○○なワインが好きなのでそういうタイプをお願いします」と相談すればできるソムリエは好みの味わいの中でもさらに料理を引き立てるワインを数種おすすめしてくれるはずです。

 

 

●料理との相性

だから料理との相性はワインセレクトの順番としては4番目です。いっそ相性のルールなど気にしなくてもいいとさえ思います。でも、フレンチやイタリアンにはズバリピンポイントで美味しい組み合わせというものもあります。料理とワインが一緒になった時、まったく別の想像もしていないような味わいや香りが生まれます。それを体験すると本当に感動しますし、なるほど料理とワインのマリアージュ(最近あまり使わない)とはこういうものかと幸せになります。これを体験するためには、ある程度のキャリアとソムリエとじっくり相談タイムが必要になります。もちろんこれもレストランの楽しみの一つです。私の経験では、いくら経験や知識があっても、その店の料理もワインの状態もばっちり把握しているソムリエに教えを乞うのが最もおいしい組み合わせを体験できる早道だと感じます。そう、やっぱりここはソムリエを味方に付けつつリストを片手に相談しましょう。こんな時に役立つ知っておくと便利な「料理とワインの黄金ルール」も追ってご紹介します。お楽しみに。

 

 

おまけ:ワインリストが原語のみで書いてあるわけ

格式ある、またはソムリエがいる店のワインリストは原語のみで書いてあることが多いです。なぜでしょう。それは、ソムリエに相談してもらうためなのだそう。原語でワインがわかり、すらすらと注文する方はもうそのままお任せでいいのですが、原語で読めないばかりか、カタカナで書いてあってもわからないことも多いのがこのワインリスト。またリストに細かい説明がないものすべては「ここは、ぜひ、ソムリエに声をかけていただきご相談ください」という意思表示なのだそう。ま、横文字で書き並べたほうが高級感があるからとも言えそうですが・・・。ちなみにワインリストの校正とその説明はこちら。

 

 

 

 

 

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