〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

料理に合わせてワインを選ぶ黄金ルールとは?

2016.02.17

 

レストランでワインを選ぶとき、何をポイントに選ぶかはこちらで提案しました。まず一番に重要と思われそうな「料理との組み合わせ」は実はだいぶ優先順位が低いことを説明しました。とはいえ、おいしい組み合わせは確かにありますし、料理に合うワインをバッチリカッコよくセレクトできたら、そりゃ素敵です。ホストならば面目躍如だし、ゲストにとってはなによりのおもてなしになります。また、「結局自分の好きな料理とワインを飲むのが一番」という考えもなくはないですが、ワインと料理、ある程度ピンポイントでおいしくなることは実際あるのです。ここでは、料理に合わせてワインを選ぶちょっとした技をご紹介しましょう。

 

やっぱり「料理の色とワインの色を合わせる」は使える

いまさらですが、「魚に白、肉に赤」はずいぶん昔のルールで、一概にそうとは言い切れないことはだいぶ知られてきました。魚や肉といってもいろんな種類やいろんな料理法があります。赤に合う魚料理も、白に合う肉料理もありますし、赤では美味しくない肉料理も、白ではダメな魚料理もあります。ここ近年よく言われるのが、「料理の色とワインの色を合わせる」こと。白身魚なら白、赤身魚なら赤。鶏肉や豚肉(部位にもよりますが)や仔牛肉のような白っぽい肉なら白、鴨肉や牛肉や仔羊肉のような赤っぽい肉なら赤という具合です。サラダはグリーン系なので白。ハム、サラミなどは赤。ソーセージは白です。また、素材ではなく調理法やソースで色も変わります。クリーム系なら白、コンソメ系なら白、トマト系なら赤、ドミグラス系なら赤です。同じ焼き鳥でも鶏ささみの塩焼なら白、レバーのたれ焼き七味唐辛子がけなら赤。エビチリならピンク色なのでロゼワイン、油炸排骨なら赤・・・となるこうなるわけです。簡単ですね。シャンパン蒸しならシャンパン、白ワインソースなら白、赤ワイン煮なら赤です。伝統的なソースでいえば、オランデーズ、モルネー、ブール(バター)ソース、べアルネーズならば白で、マデイラ、ペリグー、バルサミコならば赤です。素材よりも調理法やソースの色合いでワインを合わせるテクニックを覚えておけば、役に立ちます。

さらには、軽い料理には軽い味わいのワインを、重い料理には重い味わいのワインをというルールも使えます。料理とワインの味わいの重さや濃さのバランスを合わせることで両方がおいしく感じられます。軽めの前菜にどっしりコクと渋味のあるボルドーの赤ではバランスが悪く、牛ヒレ肉のロッシーニ風に甲州でもイマイチです。

 

郷土料理にその土地に地ワインは鉄板ルール

フランスやイタリアの郷土料理を食べさせてくれる専門店も増えてきました。その土地その土地の郷土料理にはやはりその土地の伝統的なワインがマッチします。ブルゴーニュの「コック・オー・ヴァン(鶏の赤ワイン煮」にはボーヌの赤、南西地方の「コンフィ・ド・キャナール」にはカオール(赤)、ボルドー「アルカションの生牡蠣」にはアントル・ドゥー・メールの白、「シュークルート」にはアルザス・ピノグリ(白)、「ブイヤベース」にはプロヴァンス・ロゼ、トスカーナの「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」にはキアンティ・クラシコ(赤)、ヴェネチアの「カルパッチオ」にはバルドリーノ・キアレット(ロゼ)、ローマの「サルティンボッカ」にはフラスカティ(白)です。なんだか旅をしているみたいで楽しいですね。

 

料理メニューがない店では、ワインも選びようがない・・・・かも

しかし、料理がどんなソースと素材なのかがわからなければ、いくら相性ルールを知っていても合わせようがありません。最近のメニューは一見してどんな料理かわからないものが多いですし、メニューのないレストランもあります(メニューの代わりに石が置いてある店がありました)。まるで理科の実験みたいに奇想天外な料理もありますし、植木鉢みたいな料理や箱庭みたいな料理もあります。こういった超最先端のレストランでは、料理を決めてそれに合わせてワインを選ぶというのはもはや無理なのかもしれません。ま、ならばすべてお任せということで安心ともいえますが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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