〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

新連載スタートに“乾杯”

2016.02.01

 

「おいしいラク学講座」が2015年12月に新書『赤ワイン冷して飲みなさい』(青春出版社)としてまとまったのを機に、このコラム講座も新装。題して『これであなたもお酒と食のOMOTENASHI大臣!~友田晶子の“新”ラク学講座~』としてリニューアルスタートです。
おもてなしには欠かせないお酒と食に関して、楽しみ方やトレンド、ちょっとした小ネタやさまざまな情報を中心に、友田流のアレンジを加えお届けします。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界中からのお客様をお迎えするには、日本人としてのOMOTENASHIの心が不可欠です。
お酒と食の面からこのOMOTENASHIを考えていきましょう。お楽しみください。

あらたなスタートに乾杯!

 

 

そうそう、この乾杯。

いつもあまり気にせずグラスや杯をかかげ「カンパ~イ」と言っているけれど、そもそもこの「乾杯」にはどんな意味があるのでしょう。

一番身近な「乾杯」は、食事を始めるとかお酒を飲み始める「きっかけ」です。家庭の食卓でも気軽な飲み会でもこの意味の「乾杯」はどこでも行われていますね。少しあらたまった宴会やパーティ、晩餐会や祝賀会などで行われる「乾杯」は、お祝いしたり健康を祝ったりもします。

では、日本における「乾杯」の歴史はいつから始まるのでしょう。

答えは、1854年。江戸末期の安政元年です。

え? そんなに最近?という感じですよね。神とともにある酒ですから、乾杯の習慣も太古の昔からあったように思えますが、意外に近年の習慣なのです。それになんではっきり年代もわかっているのか不思議ですね。

実は乾杯の起源は「日英和親条約」の締結時なのです。締結後の晩餐で英国側が「わが国では国王の健康を祝し杯をあげる習慣があるので、ここでもやってみましょう」と提案。日本側は、そのような習慣がないので困惑しましたが、日本代表の井上清直が起立し「乾杯」と発声したのが、習慣となったそうです。だからはっきりと年代もわかっちゃうというわけ。

西洋では、乾杯時にグラスを合わせチーンと音を鳴らします。これは、景気づけにもなりますが、昔から悪魔祓いの意味がありました。また毒が盛られていないかを判断したとも言われています。中国での「乾杯」は、文字通り杯を干す(乾かす)ことから、注がれた酒をきれいに飲み干し飲んだ後は杯をさかさまにする習慣もあります。
韓国では、乾杯の後目下の人は横を向き手で覆いながら飲み干します。目上の方への気遣いですね。

 

私たちの生活の中でもっとも現実的な乾杯のマナーはどのようなものでしょう。
まずは、どんな小さな席でも、お酒や飲み物があるなら、「乾杯」をしたいなと思います。家庭の食卓なら料理を終えてさぁこれから食べる時間だよという区切りになりますし、居酒屋のカウンターでも乾杯することで食卓が一気に華やかになります。仲間意識もぐっと高まりますし、一緒に食べたり飲んだりすることができてうれしい気持ちになります。美味しいご飯に、美味しいお酒に、そして健康に感謝できます。
英国のように「国王に」などと大げさなものでなくとも、毎日の食卓と健康に感謝をこめて乾杯することは忘れたくないですね。

 

現ジョージア(旧グルジア)では、乾杯時にこういいます。
「シャンパンのような元気を!コニャックのような長生きを!」
友田流ならこれに、
「日本酒のようなみずみずしさを! 焼酎のような軽快さを!」
と付け加えましょう。

 

 

 

乾杯のマナー、こちらにも 「乾杯は悪魔を追い払い天使を呼ぶ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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