新連載の“新”ラク学講座のテーマはOMOTENASHI。
まずはレストランの楽しみ方やおもてなしの裏ワザをご紹介しています。
「予約」(予約の重要性はこちら)の後は当たり前ですが予約の日時にお店に行きます。そう「入店」です。お店に入るだけのことがそんなに重要なのか?と思われるかもしれませんが、実は意外に重要なのです。
まずは、入店の際は、やはり、女性やゲストをうながし先に入店していただきましょう。扉が重ければもちろん支えてください。暖簾が邪魔ならかるく持ち上げてあげましょう。
ホテルやレストランならクロークがあって、コートや荷物を預けます。私は5年ほど銀座でワイバーを運営していました。冬場は入店されたお客さまからコートを受け取り預かるのですが、そのときのコートの差し出し方で、その人の人となり、お客様としての良し悪し(上から目線でごめん)が実によくわかりました。ほれっとぞんざいに渡す人はお店での注文も飲食も支払いもぞんざいなのです。丁寧にまたは感謝を込めて差し出す人は、飲食も楽しそうで、お店の雰囲気を明るくしてくれました。
また、レストランだけでなくパーティにおいてもクロークでコートや荷物の受け渡しをしますが、このときも同じことが言えます。昔こんな経験をしました。とあるパーティの受付クロークを友人にお願いしたところ「あの有名人、パーティ会場では笑顔で、着飾って華やかに振る舞っていたけど、毛皮のコートを渡す時のふてぶてしい態度には驚いた」というのです。おかげでその人のイメージが悪くなりました。クロークと店内・パーティ会場内はつながっています。外と中で態度を変えるのは最低です。
また、クローク担当者も人間です。メインダイニングで表舞台に立つ人ではないかもしれませんが重要な役割であることに変わりはありません。これは受け取る経験をした人にしかわからないことかもしれませんね。
上席・末席は臨機応変に
コートや荷物を預けたら店内に。お店のスタッフの誘導でテーブルに着きます。スタッフの誘導のままに座れば間違いなくゲストとホストを正しい席に導いてくれますが、どのテーブルでも、座って店内を見渡せる席が上席。もしくは外の景色がよく見える席もいい席です。ただ、窓からの光がまぶしくってイヤとか冷房が強く寒くてつらいとか、話がしにくいなど現場でしかわからない問題もあるので、マナー本に載っている上席末席は臨機応変に対応したいものです。
最近増えてきた外資系のレストランは、カップル席が多いです。向かい合ってではなく並んで食事をするスタイル。夫婦や恋人同士なら断然素敵なのですが、これが友人とか仕事相手だとどうにも気恥ずかしいもの。男性同士のビジネスディナーだとこれは居ても立っても居られないはず。進む話も進みにくくなりますし、変な誤解を受けそうです(同姓カップルならオッケー!)。スムーズな入店をするためにはまず予約の段階で確認しておきたいものです。