〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

自由に楽しみたいお寿司、でもおいしく食べる順番もある

2016.04.06

 

おもてなしといえばお寿司です。
ほら、サザエさんのお宅、磯野家でもお客様がいらしたら出前のお寿司をとっていました。カツオが「じゃ、僕らもお寿司!」と喜ぶと波平さんに「バッカも~ん」と叱られてましたよね。
そう、日本では昔からお客様のときはお寿司。お祝いの時もお寿司。おもてなしにはお寿司。ここぞというときにはお寿司。そうそう、酔っぱらって帰ってくる宴会帰りのお父さんのお土産もお寿司の折詰でしたね。
回転寿司やスーパーのパック寿司などお手頃お寿司が巷に溢れている昨今ですが、それでもお寿司って、どこか高級感があり、特別な感じがします。
また、様々なネタを好みに合わせて食べるのがお寿司、とくに江戸前寿司の醍醐味です。江戸前寿司が特別なのは、旬の新鮮なネタを、手の込んだ下準備を施し、それを職人さんの技術で握りたてを食べることにあります。カウンターで食べるときは、職人さんを目の前に会話を楽しむこともプラスされます。これはやっぱり贅沢です。
この贅沢を十分に満喫するには、やはり、おいしい食べ方、おいしい順番を考えたいもの。むやみやたらに好きなものからどしどし食べるよりもうんとおいしく食べてみませんか。

 

ワイン&フレンチを見習え?

突然ですが、ここで、おいしいワインの飲む順番を考えてみましょう。
まずは、スパークリング。爽やかな泡がありのどの渇きをいやしてくれます。次に、軽めの白ワイン。軽い前菜と合わせてちょっと酸味のある軽快な白ワインを飲みます。次に軽めの赤ワインかロゼワイン。白ワイン同様爽やかさがあり口を疲れさせません。
次にやや重めの白ワイン。コクがあるので主菜とよく合います。
次は渋みとコクのある赤ワイン。脂ののったメイン料理とはこれです。濃厚なチーズともよく合います。
最後には甘口デザートワイン。食後のスィーツとともに楽しみます。場合によっては最後に蒸留酒などの食後酒。アルコール感が食後の満腹感を抑えてくれます。
どうでしょう、この流れ。あっさりしたものから順に濃いものに移行します。こうすることによって、それぞれの味わいがしっかりとわかります、濃いものの後に味の薄いものや軽いものを持ってきては、濃い味に消され味わいが楽しめないからです。
この流れ、実は、お寿司で応用できるのです。

 

あっさり系から濃厚系へ

握りの前に、おつまみをちょっと行きたいところですが、ここでは握りに限ってみましょう。
まずは最初は、あっさりと癖のないイカやタコ、もしくはヒラメや鯛などの白身。次に繊細な甘みのある甘エビやボタンエビ。次は軽いようでいてで実はしっかりと旨味のある貝類(ホタテやトリガイ、ツブ、平貝など)にいきましょう。カニの時期ならここでカニ。次は鮨のメインともいえるマグロ。ここは赤身か中トロ。お腹がすいているうちに食べておきたいですしね。切ってもらうついでに後で食べる「漬け」を作ってもらうのもテです。カツオが時期ならここで。
少々味わいのあるマグロやカツオの後は、すっきりさせるために酢〆もの。小やしめさばあたりでしょうか。これを機に、光物を数点。アジ、イワシをしょうがとともに。少しづつ脂ののったものを楽しみます。この後に赤貝。貝は貝でも赤貝は特別感がありますし、実はしっかり味わいもありますからここで。
そろそろ火を通したものに行きましょう。茹でエビやシャコの甘味と旨味を楽しみます。甘い卵もここら辺です。「漬け」がいい感じになっているころでもあります。余裕があるなら煮アワビをここで。優雅ですね。トロリと甘く濃厚な煮切りを使った多胡ならここでしょう。続いて、しっかり脂がのっているものを。たとえばトロ、大トロ、ブリなどを。さてクライマックスが近づいていきました。すなわち、ウニ、イクラです。ねっとりとしたおいしさを楽しみましょう。
そして最後は煮アナゴ。寿司ネタでは最も濃厚といえます。もし卵焼きが甘~いお店なら、最後にデザートとしていただいてもいいでしょう。これでおおむね終了といえますが、食べ足りないようなら巻物を。パリッとした海苔の触感もお寿司屋さんならではですしね。あっさり系ならカッパかおしんこ巻や梅シソ巻き。友田好みはヒモキュウ(ゴマ&シソ入り)です。通ならわさび巻き、江戸っ子ならかんぴょう巻きでしょうか。フレンチとは違って最後はさっぱりと終るのが江戸前寿司ならではの粋さかもしれません。

 

もちろん、お寿司は自由な食べ物です。好きな順番で食べるのが一番です。
ですが、よりおいしく食べるにはこんな流れを考えてみてはいかがでしょう。
え、お酒はどうするかって?はい、もちろんよりおいしい順番と楽しみ方があります。
次回、たっぷり伝えしましょう。

 

 

 

 

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