G7伊勢志摩サミットが今月開催されます。
サミットとは、世界経済問題について首脳間で政策協調を議論する場として1975年から始まった主要国首脳会議で、近年は政治問題や地球規模の問題についても議論されます。日本はこれまでに5回議長国を務めており、2008年7月に開催された北海道洞爺湖サミットはまだ記憶に新しいものです。
安倍総理は、伊勢志摩サミット開催地決定の理由として「日本の美しい自然、そして豊かな文化、伝統を世界のリーダーたちに肌で感じてもらえる、味わってもらえる場所」と述べています。お酒と食の仕事をしている者にとって「味わってもらえる」という部分はとても重要に感じますね。
サミットの開催に合わせ、外務大臣会合、財務大臣・中央銀行総裁会議などの関係閣僚会合は、伊勢志摩以外の日本各地で開催されています。それぞれの土地でそれぞれの味わいを関係の方々に体感してもらえるといいなと思います。
今月は、伊勢志摩サミット開催を(勝手に)記念して、伊勢志摩や三重県のおいしいものを見ていきたいと思います。また、友田流サミット晩餐会をご提案してみましょう。
伊勢志摩、三重県の地酒とは?
三重、とくに伊勢志摩は、古くから「御食國(みけつくに)」と呼ばれ、朝廷に食材を提供することを許されている豊かなる国とされてきました。極上の食材に合わせ、酒も品質のいいものが造られてきました。また、日本の中でも最も雨の多い地域のひとつである紀伊山地から湧き出る清冽な伏流水は軟水で、吟醸向きの水を潤沢に得ることができました。また、伊勢神宮に捧げる御神酒の伝統も古くから三重の酒造りに影響を与えてきました。
現在三重県には35のお蔵元
北勢(桑名市・四日市市・鈴鹿市及びその周辺)に13蔵、中南勢(津市・松阪市・伊勢市及びその周辺)に11蔵、伊賀(伊賀市・名張市)に11蔵にがあります。
個人的にお付き合いがあり、味わいも絶対おすすめのお蔵元様をあげるとすれば、まずはなんといっても「作」で知られる清水清三郎商店様。清らかで洗練された味わいは日本酒ファンを魅了していますし、ファッショナブルなイメージは世界のSAKEファンから注目されています。
清水社長とはロシア、モスクワにてご一緒させていただきました。リポートはこちらです。
雑誌PENの日本酒ミシュラン(通称)で見事三つ星を獲得した「天遊琳」で知られるタカハシ酒造様も絶対おすすめのお蔵元。ヌル燗で飲む「天遊琳」は品のある旨味と柔らかさが本当に素晴らしいです。
「るみ子の酒」の森喜酒造、「酒屋八兵衛」の元坂酒造、「半蔵」の大田酒造は、女性の杜氏や女将が頑張るお蔵元。日本酒ファンから熱い視線が送られています。女性起用に力を入れる安倍首相にはぜひとも知っていただきたいお酒たちです。
「義左衛門」の若戎酒造、「黒松翁」の森本仙右衛門商店は忍者の里伊賀の酒。洗練された味わい深い銘柄を生み出していらっしゃいますし、その歴史やストーリーは大変魅力的です。
友田流の晩餐会、テーマは「直会」
サミット参加の首脳たちは、さて、どのお酒で乾杯し、どのお酒で食事をされるのでしょうか。友田ならばこんな晩餐会を企画します。
<~未来 直会/MIRAI NAORAI~>
◆テーマ◆
1、神都とも呼ばれる伊勢志摩でのサミットには、神事に関わりの深い食材と酒(=御神酒)が必須。
2、その神事の行事の一つである「直会(なおらい)」をテーマとし、晩餐会を強く印象付ける。
3、「神霊と結びつき、力をもらい、加護を期待する」=「サミット参加国同士の結びつき、安全、平和、未来への結束と繁栄」という意味合いを持たせる。
ちなみに直会とは、神事終了後の宴会(打ち上げ)で、本来は神事を構成する行事の一つ。神霊が召し上がったものを頂くことにより、神霊との結びつきを強くし、神霊の力を分けてもらい、その加護を期待する。季節の野菜・魚介類などが神饌として供えられた場合は、それらを調理したものが出される場合が多い。このため神社によっては直会での料理は郷土料理と同一となる(Wikipediaより)。
この未来につながる直会に即し、乾杯に発泡性清酒をシャンパングラスで、前菜に純米吟醸を白ワイングラスで、主菜に純米酒を赤ワイングラスとお燗酒として、デザートに熟成酒と濁り酒(白酒・黒酒/シロキ・クロキ)をリキュールグラスで。サービスは“酒の巫女”として女性きき酒師を起用して、酒器と温度を考慮しつつ最高の提供を・・・・。
なぁんて、どうでしょう。ああ、考えるだけでワクワクします。
画像、ロゴは、
G7伊勢志摩サミット公式ホームページ様より、
清水清三郎商店様HP、森本仙右衛門商店様HPより