〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

日本人に古くから愛される夏の遊び場、それは「川」

2016.08.18

 

夏の遊び場といえば、海や山、高原などが思い浮かびますが、実は「川」というのが古くから日本人には愛されてきた避暑の代表です。
全国にある夏の「川下り」、京都や大阪の「川床」、岐阜に代表される「鵜飼い」、河原のバーベキューや水のせせらぎと星空を眺めながらのキャンプも人気です。アクティブ派には、外来スポーツであるラフティングやカヌー・カヤック、キャニオニングなども注目されています。川のレジャーも本当に幅広くなってきました。

今月は、海で飲むワイン、高原で飲むビールを紹介してきましたが、日本人に古くから愛されている夏の川遊びには、さて、何がおすすめしょう。友田式は、もちろん、日本酒
「川」には、海や山や高原にはない特有の落ち着きと趣があります。とくに上流にあたる山間の川には、街にこもる夏の熱気日常のイライラを忘れさせてくれるマイナスイオンがたっぷりとあります。滝があればさらにその価値も高まります。

そして、川グルメならば、当然ですが川魚です。
これまた海の魚のように派手ではないですが、そこはかとない渋さと滋味にあふれていて、酸いも甘いも経験した大人でこそ感じることができる人生の機微を味わえます(←大げさ!)。
鮎、イワナ、ヤマメ、ニジマスなどの炭火焼は、淡い味わいの中にも野趣あふれる風味が楽しめ、丁寧に独自の脂で揚げるようにしながら上手に焼けば、頭からバリバリ食べることができます。川魚は癖があるといわれますが、ゆっくりと揚げ焼きすれば癖が個性にかわりおいしいものです。美しい水の中できれいなコケを食している魚は、青々しい、すがすがしい、みずみずしい香りがあります。これが分かってこそ大人!ですよねぇ。

これに合わせるならば、なんといっても、淡いけど深い味わいを損なわない日本酒で、となるのです。青々しい香味をもつ川魚の美味しさを活かすならば、華やかすぎない純米吟醸。特に新潟や高知、北海道の軽快でさっぱりしたタイプをおすすめしましょう。濃厚なタイプや熟成タイプはここではNO。きりりとしまった味わいの辛口がベストです。
もちろん、飲み方は冷酒。川石で川水をせき止めて造った天然のクーラーにボトルごとドボン。スイカや桃、トマトなども同じですが、不思議と冷蔵庫で冷やしたものとは冷たさや味わいが違って感じます。より清涼感を演出したいときには、青竹を切っで作ったおちょこも風情があります。使用後はそのまま野に戻すこともできちゃいます。

川釣りで釣れた小魚は、丸ごとしっかり香ばしく焼いて、陶器のおちょこに入れ、そこにアツアツのお燗酒をそそいでください。これぞ川魚の骨酒。香ばしさと軽い旨味がじわじわと溶け出して、川風と川の冷水で冷えた体を温めてくれます。バーベキューの横で小ぶりの鍋に日本酒を注ぎ、沸騰する前に火からおろします。アツアツの直燗が出来上がりです。くれぐれも沸騰はさせないでね。

どうです、大人の川遊び、粋でしょ。BGMは、川のせせらぎと滝の音、そしてセミの声のみ。ああ、大人だなぁ。

 

 

 

 

 

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