〜友田晶子の“新”ラク学講座〜

鍋の季節、日本酒と一緒に楽しみたいお鍋とは?

2016.11.07

 

鍋が恋しい季節。
でも、鍋と一言でいっても星の数ほど存在します。
そこで、ここではお酒の種類に合わせて、おいしい鍋を考えていきます。
まずは「日本酒」。
日本酒って鍋なら何でも合うだろうと思いがちですがそうではありません。日本酒の味わいのポイントは、なんといっても「旨味」。そして「甘味」。辛口の日本酒ももちろんありますが、焼酎やワイン、ウイスキーなどから見れば圧倒的に甘さがあります。そのほか米の酒らしい「なめらかさ」や水の酒らしい「みずみずしさ」もありますよね。
この味わいに合わせておいしい鍋は、ずばり、「湯豆腐」、「魚介の寄せ鍋」、「みぞれ鍋」、「おでん」、「すき焼き」といったところになります。

 

「湯豆腐」は、繊細ながら深い味わいの豆腐が主役。つけダレや薬味はありますが、滑らかでトロリとした口当たりに優しい温かさもあります。これは、もう日本酒の繊細さと優しい旨味がベストマッチです。日本酒は豆腐をはじめとした穏やかな味わいを壊さない良さがあります。

「魚介の寄せ鍋」も日本酒。寄せ鍋・・・でなくとも魚介の鍋なら全般にいいでしょう。つまり、日本酒に合わせるならば肉系の鍋ではなく、やはり魚介系の鍋がおすすめになるのです。なぜなら日本酒に不可欠な麹が魚介の生臭みを消してくれる効果があるからです。またときに肉系の強い味わいは、繊細な日本酒の味がかき消されてしまうこともあります。魚には日本酒でしょう。

でも肉系鍋がいい!というときには「みぞれ鍋」はいかがでしょう。鶏でも豚でも牛肉でもOK。たっぷりの大根おろしが肉の強さを穏やかにし、日本酒にぐっと近づけてくれます。現に、大根のみ、大根おろしのみでも日本酒がとてもおいしいのです。お試しあれ。

そして「おでん」。おでんは野菜も魚も肉も入っていますが、日本酒と合う要素としては、出汁の旨味と甘味です。とくにおでんに欠かせない「練り物」から出るコクと甘味が、日本酒のそれと素晴らしく同調します。昔「練り物」をほとんど入れないでおでんを作ってみましたが、まったくおでんにはなりませんでした。練り物、大事!

最後に「すき焼き」。肉じゃないか、思いっきり肉じゃないか・・・。はい、そうなんです。が、ここは消去法で考えてみましょう。すき焼きは、牛肉がベースですが、肉の味わい以上に、醤油、砂糖、お酒がたっぷりと使われます。我が家は関西風なのでダイレクトに調味料を使いますが、関東風の割り下もかなりの甘辛味です。これに酸味の強い白ワインはいまいちですし、赤ワインは渋みが気になります。焼酎はちょっとドライすぎで、ウイスキーは樽香が気になります。

やはり、旨味と甘味と米らしいぽってりした日本酒の風味がバランスがいいのです。ただ甘さの相乗効果でちょっと飽きてしまうことも。そう、すき焼きはお酒よりもご飯がおいしいと思うときが、実はあったりするんですよね。

 

さて、日本酒に合うお鍋。あなたのお考えはいかがですか?

 

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