一般社団法人日本のSAKEとWINEを愛する女性の会(通称:SAKE女の会)の中には、いろんなチームがあります。その中の一つに「料飲おもてなしコンサルティング~日本料飲ビジネス研究会~」があります。法人組織ではありませんが、私、友田を中心に、都度、講師陣、コンサルタントとタッグを組みながら、お客様のご希望に合わせ、アドバイスや研修、資格認定協力などを行っています。
スタートは、2006年。
目的は、ずばり、「料飲部門の売り上げ向上支援」です。
対象は、全国の観光地や温泉地などにある宿泊施設や飲食店、酒販店の皆さま。また、温泉組合、女将会、若旦那会、支配人会などの団体様。地方自治体(都道府県・市・町)の観光関連団体や、商工会、商工会議所。
ときに、日本酒・焼酎・ワイン・ビール等のメーカー様、全国「道の駅」関係各所も対象となります。
この研究会を立ち上げた理由を説明しましょう。
私は、旅好きです。とくに温泉が大好き。そのうえ食いしん坊でお酒もたっぷり飲みます!温泉旅館に泊まり、その土地の郷土料理とともに地酒、地焼酎、地ワインを飲むことが何よりの楽しみです。だって旅の楽しみはそこでしょ?
でも、でも、です。
お酒の提供に問題がある宿や飲食店がことのほか多いと常々感じてきたのです。たとえば、せっかくおいしい地酒がある土地なのに、灘伏見や新潟系の大手ブランド酒しか置いてないとか(ブランド酒が悪いわけではありません)、仲居さんに「なにかお勧めの地酒ありますか?」と聞いても「え、私、お酒飲めないんです」と答えられてしまうとか、ヌル燗を頼んでも「うち、熱燗しかないんです」という驚くべき返事が返ってきたりとか、米焼酎の産地なのに芋焼酎しか置いてないとか、ワインの産地なのにワインオープナーがおいてないとか、あっても誰も開けられないとか、お酒のメニューが間違いだらけとか、ましてやお酒のメニューがそもそもないなど、残念な点は枚挙にいとまがありません。
想いをともにした仲間と研究会立ち上げ直後に、有名温泉地の支配人会にプレゼンで出かけました。そのときは、「経営コンサルにはお金を払うがお酒のコンサルなんて聞いたこともない、興味ないっ」「うちは飲み放題でやってるんだ、なんで高い酒を出さなきゃならないんだ」と散々な反応にショックを受けました。世界的にも知られた日本が誇る温泉地なのにこれなのです。
すごすごと帰りの電車に乗ろうとしたら、先ほどいらした支配人の中の一人が追いかけてき、「僕、先ほどの話に興味あります。実は、きき酒師の資格も先日とったんですよ」というではありませんか。
聞けば、自慢の料理にあわせてうまい酒を出したい、酒類販売がおざなりになっている、お客さんのほうが知識があって怒られることがある、お酒には可能性があると感じる・・・というお話です。
これで糸口がつかめた気がしました。私たちは間違っていない、と。
その後その有名温泉地では、幾つかの個別コンサルをやらせていただき、とてもいい経験をさせていただきましたが、経営的にうまく行かなくなってなくなった旅館、経営社が変わった宿をいくつか見受けました。
やる気のある支配人の宿? どうなったか? 今や人気で大変うまくいっていますよ、はい(笑顔)。
お酒で儲けましょう!
身もふたもない書き方ですが、これは「ソムリエ」という仕事をしていて身に着けた感覚です。
ソムリエは決して「テイスティングができる人」でも「コメントが上手な人」でも「黒いソムリエスーツとブドウのバッヂを付けさっそうと歩いている人」でもありません。飲料の知識を持つだけでなく、ホテルやレストランで飲料部門の仕入れ・管理をし、売り上げを伸ばすという経営面も請け負う職業です。どちらかといえばテイスティング能力はその次でしょう。もちろん、洞察力、判断力があり、日々の自己研鑽を怠らず、もてなしの心にあふれる人材であるべきです。
ワイン販売で重要な位置を占めるソムリエのような職業が、日本酒や焼酎販売の中にあるべきだと思うのです。とくに、観光地においては、食べること飲むことはもっとも大きな楽しみですし、旅人はここにお金を使う気でいます。そんな時に手伝いってくれる人がいればどれだけ楽しい旅になることか。料理もいい、お風呂もいい、お部屋や庭の設えもいい、サービスもいいのにもかかわらず、お酒がイマイチ・・・というところが本当に多い。これは私が手伝えると感じたのが「日本料飲ビジネス研究会」を立ち上げた理由です。
TOKYO2020を目前に、東京や関東のみならず、日本全国いろんなところに国内外の観光客が訪れます。おいしい料理とともに自慢の地酒、地焼酎、地ワインを提供しましょう。日本産酒の魅力を広く知ってもらう素晴らしい機会です。そして、おいしいお酒に感動した、また来たいっとと言ってもらいましょう。
私たちSAKE女が、お手伝いします!