これは、私の著書の名前です。
青春出版社から発売されています。
宣伝ですみません。
意外なことに、このタイトルを言うと、「え?赤ワインは冷やしていいんですか?」と聞かれます。あ、意外ではないですね、まさに、思うツボ、まさに、想定のお答え、ありがとうございます、ではあります。
誰もが知っているワインの常識として「白ワインは冷やして、赤ワインは冷やさないで」というルールがあります。「冷やさない」をかたくなに信じ、夏でも暖房のかかっている冬の部屋でもなんだか生ぬるい赤ワインを(実は我慢して)飲んでいる姿を見かけます。
そもそもワインは、ブドウという果物から造られる飲み物です。白でも赤でもフルーティーです。フルーティーさはぬるりと生ぬるいよりきりりと引き締まった冷たい味わいのほうがぐっとおいしく感じるもの。
赤ワインはコクがあって渋味があって重厚な味わいだから冷やさない方がいいのでは、とおもっていますか? 実は、その赤ワインにもどこかに果物の片鱗が残っているのです。とすればやはり、ある程度は冷やして飲んだほうがおいしいのです。
それに、なにもキンキンに冷やせとは言っておりません。ワインのタイプにもよりますが、10℃、15℃、20℃くらいには冷やしたいもの。20℃で冷たいのか? はい、冷たいです。だって、体温は36℃ほどですから、20℃の飲み物を飲めば冷たく感じます。
しかししかし・・・・・。
体温と同じくらい、いえいえ、体温より高い温度で飲むワインもあるのです。
ホットワイン。ワインのお燗です。
日本酒や焼酎みたいに徳利に入れるわけではないですし、ワインの上からお湯をジャーッも、まぁ、ありえません(それも案外おもしろいかも)。
ホットワインのふるさと、フランスやドイツ、北欧では、ワインを直接鍋に入れて温めます。沸騰させないのがコツです。直火焚きですね。
さらに、蜂蜜やジャム、ドライフルーツ、ナツメグなどのスパイス、ジャンジャーやミントなどのハーブ、香ばしいスライスナッツなどを加えで温めます。
甘酸っぱい白ワインがおいしそうな感じがしますが、むしろ赤ワインが結構いけます。いえ、むしろ赤ワインのほうが主流ともいえるのです。
酸っぱくて渋い赤ワインを温めておいしいのか?と思いますよね。これは実においしいのです。渋くてちょっと甘くて温かいのがかなりおいしい。ほら、日本茶を思い出してみてください。日本のお茶は渋いですよね。この渋味はタンニン。赤ワインの渋みと同じです。
渋くて温かい飲み物。思い返せば、私たち日本人にとっては慣れた味わいなのです。
ただ、ワインには酸味がありますから、そこに甘味を加えることによってバランスがとれ、ぐっとおいしく感じられるというわけです。
ホットワインはどんなワインでも作れます。シャトー・マルゴーでもいいのか? はい、構いません。ま、マルゴーで作る時は、ぜひ私を呼んでほしいですが・・・。
寒さが厳しくなるこれからの季節、ホットワインでおしゃれに過ごしてみませんか? 案外癖になるかもですよ。あ、この時期は、本のタイトル『赤ワインはお燗にして飲みなさい』に変えてもいいかなぁ。